コレクタブルアセットへ投資をする際のメリット・デメリットとは?
投資対象におけるコレクタブルアセットとは、一言で言えば収集品のことを指します。
対象となるジャンルははさまざまで、たとえばアート、骨董品、切手、本、コイン、トレーディングカード、おもちゃ、漫画、車、ヴィンテージのバービー人形、ポケモンカード、ハンドバッグ、時計、ジュエリー、ワイン、ウイスキーなどが挙げられます。
コレクタブルアセットへの投資においては、他のアセットへの投資では見られない独自の利点と課題があります。 投資をする前に、メリット・デメリット(リスク)、目標リターン、どのような投資の選択肢があるかなどを慎重に検討することが重要であるため、この記事ではメリットデメリットについて詳しく解説します。
コレクタブルアセットに投資する際のメリット・デメリットまとめ
【メリット】
・ポートフォリオの多様化ができる
・他のアセットクラスとの相関性が低い
・今後の成長・価値上昇が期待できる
・インフレヘッジができる
・需要のみで価格が成り立つ
・アセットの全容が理解しやすい
・保有することを楽しめる
【デメリット】
・価格が不透明
・インカムゲインが期待できない
・流動性の欠如
・取引手数料が不明瞭
・投資費用がかかる
・真贋の見極めが困難
・保管が困難
それぞれについて詳しく解説します。
コレクタブルアセットに投資する際のメリット
ポートフォリオの多様化ができる
コレクタブルアセットに投資することで、ポートフォリオの多様化につながります。投資対象が多様化するということは、互いのプロダクトが同じ値動きをすることを防ぐことにつながり、結果的にリスクヘッジとなるのです。
また、多様なポートフォリオは、時間の経過とともに、非多様なポートフォリオよりも高い収益を生み出すことが期待されています。
他のアセットクラスとの相関性が低い
コレクタブルアセットは、金融商品とは一線を画すアセットクラスであり、他のアセットクラスとの相関性が低いとされています。そのため、リスクの一部を軽減するヘッジ手段として機能する可能性があります。
2022年のシティ・プライベート・バンクのレポートによると、「戦後および現代美術」は「先進国株式」と-0.04の相関関係、「投資適格債券」と0.15の相関関係があり、 「高級ワイン」と「S&P 500」 の相関関係は0.3とのことでした。
今後の成長・価値上昇が期待できる
過去の値動きが将来の値動きを必ずしも予見するわけではないですが、コレクタブルアセットのこれまでのリターンを見ると、株式よりも成長率が高く、今後大きな成長が期待されているものもあります。
実際、コレクタブルアセットには、非常に大きなリターンを生むものがあり、例えばスポーツカードでは、1952年のToppsミッキーマントルカードは、2006年に約28万ドルで取引されたものが、2018年には約288万ドル、2022年には約1,220万ドルで取引されています。(※スポーツカードは状態によって大きく値段が変わります。必ずしも同一のカードでないことをご留意ください)
また、コインや美術品などは、時間の経過が価格の上昇につながるケースもあります。
インフレヘッジができる
インフレヘッジとは、インフレ(物価の持続的な上昇)によって貨幣の価値が下がり、保有資産が減少することを回避するための行動を指します。 具体的には、現金等の資産を、株や金、美術品などに買い替えることが一般的です。
実際、2021年頃から世界的なインフレ傾向があったなかで、コレクタブルアセットはクラインフレヘッジとしての機能を果たしました。
需要のみで価格が成り立つ
コレクタブルアセットは売買基準が非常に主観的であり、需要のみで価格が成り立つものです。そのため、特別な思いのある買い手がいれば、市場価格よりも高い価格で売却することも可能です。
特に、ノスタルジーを感じさせるものや、子供時代に興味を持ったものを大人になって買うといった状況などでは、そうした傾向が強いようです。
プロダクトの全容が理解しやすい
コレクタブルアセットは、プロダクトの持つ背景や歴史を知ることができるため、株式や債券の場合と比べて、プロダクトの全容を理解しやすいというメリットがあります。
たとえばスポーツカードであれば、選手の活躍がそのカードの価格に反映することも多いです。美術品であれば、背景や歴史といった知識を得ることで、思わぬお宝を発見したり、今後の価値を予想したりすることができるでしょう。
保有することを楽しめる
コレクタブルアセットは金融商品と異なり、価値が上がるまで、保有する楽しみを享受することができます。カード、コイン、切手といった商品は簡単に持ち運びができますし、腕時計やバッグの場合は、実際に身につけて楽しむことができます。
また、アートであれば家に飾って鑑賞することができますし、ヴィンテージカーの場合実際に運転することも可能です。
さらに、それを手にいれる過程においても、マーケットプレイスを訪れたり、骨董市に行ったりと、さまざまなな機会で価値のある商品を探すことができ、探す楽しみも感じられます。
コレクタブルアセットに投資する際のデメリット
価格が不透明
コレクタブルアセットの取引では、株式市場のように、価格を公正公平に測る取引所のようなものが存在しません。価格が付くマーケットプレイス(証券取引における取引所)が多数あるため、一物二価現象(同じものでも価格が異なること)が頻繁に発生します。
また、世間での人気やブームといった要素に価格が大きく左右されることがあるため、ボラティリティ(価格の変動率)が非常に大きくなるリスクも存在します。そもそも、売却時の価格も、あくまで買い手がいることが前提となります。
一部の業者が、供給をコントロールすることで、値段を操作することも考えられるでしょう。
このように、コレクタブルアセットには客観的な価値というものが存在しないため、その市場は脆弱なものであると言えます。
取引手数料が不明瞭
コレクタブルアセットは、金融商品と比べて取引手数料が高い傾向にあります。また、流動性を確保するために、オークションハウスなどを通じて売却した場合にはさらに高い手数料を払う必要があります。
インカムゲインが期待できない
コレクタブルアセットは、配当や利息といったインカムゲインは基本的には発生しません。保有期間中に貸し出したり、それを担保に資金を調達しない限りは、保有期間中に収入が入ることはなく、基本的に、金銭的なリターンを得られるのは売却時のみとなります。
流動性の欠如
コレクタブルアセットは売却時の買い手に価格が委ねられる側面があるため、適切な買い手が見つかるまで流動性が欠如することが考えられます。つまり、金融商品と異なり、長めの時間軸で保有する必要があるのです。
そのため、生活必要資金等で投資した場合は、肝心な時に現金化できないことを想定しなければいけないでしょう。
投資費用がかかる
芸術作品、ヴィンテージカー、腕時計、希少なコイン、一部のスポーツカードなどには多額の初期投資が必要になることがよくあります。 ポートフォリオの一部をコレクタブルアセットにすることでポートフォリオの多様化が実現しますが、初期費用が高いことで多様化に繋がらない可能性もあります。
真贋の見極めが困難
コレクタブルアセットの中には、詐欺、偽物、模造品といったものが多く存在します。スーパーコピーのように専門家の間でも意見が分かれるほどの偽物も存在します。本物でも、仲介業者が詐欺を働く可能性も否定できません。
そのため、正しい業者を介して正しい商品を購入することが、規制の多い金融商品と比べて難しいです。また、市場が成長すればするほど、そうした詐欺的業者、偽物といった類の商品は増えることも予想されます。
保管が困難
コレクタブルアセットの価格に大きな影響を与えるのが、その商品の状態です。傷が付いたり、ダメージを負ったりすれば、大きく価値が減少します。それどころか価値がなくなってしまう可能性もあります。傷以外にも、湿気や日光などに晒されることで状態が悪くなるものも多くあります。また、物理的に存在することから、盗難などのリスクも発生します。
このように、コレクタブルアセットには保管という独特のハードルがあります。
なお、そうした事態を避けるために保険を使った場合は、年間で価値の約1~2%が追加でかかることもあり、ランニングコストがかかります。
コレクタブルアセットの情報はAltableをチェック!
コレクタブルアセットには、さまざまなメリット・デメリットがあるため、総合的に判断した上で投資をする必要があります。
また、コレクタブルアセットは、それ単体では金融商品に該当しないため、様々な業者が存在しています。上場株式を購入するのとは違い、投資する側に多大な調査を必要とします。
Altableでは、そうしたコレクタブルアセットに興味を持たれる方に対して、投資の一助となる情報の発信、投資機会の提供などを行っていく予定です。ぜひチェックしてください!
Eメールニュース登録(無料)はこちらから!