コレクタブルアセットをポートフォリオに組み入れることについて〜ワイン・ウイスキーの場合〜

昨今話題となっているコレクタブル投資。
今回は、ワインやウイスキーに焦点を当て、ポートフォリオに組み入れた場合のヒストリカルリターン(これまでの実績)について考察します。
 

伝統的なポートフォリオ
一般的には、理想的なポートフォリオとして、株式や債券、現金、その他のアセットなどで構成されるものが挙げられます。

昨今では、オルタナティブアセット市場も拡大してきており、不動産はもちろんのこと、太陽光発電や風力発電、あるいはコレクタブルアセットもポートフォリオの一部に組み入れる投資家も増えてきていることと思います。

伝統的なポートフォリオでは、「60/40」ルールというものが代表的です。株式をポートフォリオの中心に据えつつも、株式と逆相関を見せることの多い債券をポートフォリオに組み入れるものです。
一般に、債券投資はパフォーマンスが低いアセットクラスであるとされますが、ポートフォリオに組み入れる理由として、ボラティリティへのヘッジということが挙げられます。

 

ポートフォリオに占める割合

2022年のリターン

ポートフォリオ全体のリターン

S&P500

60%

-19.4%

-11.7%

米国債

40%

-15.3%

-6.1%

合計

100%

 

-17.8%

2022年は、コロナ禍による過剰流動性からの金融引き締めのスタートした1年となりました。したがって、株式のパフォーマンスは非常に低下したわけですが、伝統的なポートフォリオでは債券も下落する形となりました。

 

伝統的ポートフォリオ+コモディティ&不動産
次に、伝統的なポートフォリオにコモディティと不動産を加えて、パフォーマンスの変化を見てみます。

 

ポートフォリオに占める割合

2022年のリターン

ポートフォリオ全体のリターン

S&P500

60%

-19.4%

-11.7%

米国債

30%

-15.3%

-4.6%

コモディティ

5%

8.7%

0.4%

不動産(米国)

5%

-28.8%

-1.4%

合計

100%

 

-17.8%

ポートフォリオにコモディティと不動産を加えた場合、伝統的なポートフォリオよりもパフォーマンスを改善したことがわかります。

 

伝統的ポートフォリオ+コモディティ&不動産+ワイン&ウイスキー
次に、ワインとウイスキーをポートフォリオに入れたものを検討しましょう。ワインには、インデックス指数として最も有名なLiv-ex 1000を使用します。ウイスキーには、同様にインデックスとして有名なRW Apex 1000(Rare Whisky Apex 1000)をポートフォリオに組み入れます。

 

ポートフォリオに占める割合

2022年のリターン

ポートフォリオ全体のリターン

S&P500

60%

-19.4%

-11.7%

米国債

25%

-15.3%

-3.8%

コモディティ

5%

8.7%

0.4%

不動産(米国)

5%

-28.8%

-1.4%

ワイン

2.5%

13.1%

0.3%

ウイスキー

2.5%

6.8%

0.2%

合計

100%

 

-16.0%

 

2013年から2022年の10年間のリターン
次に、2022年までの10年間のリターンを見てみましょう。ワインやウイスキーをポートフォリオに組み入れるとポートフォリオ全体のパフォーマンスが改善することがわかります。

 

ポートフォリオに占める割合

2013-22年のリターン

ポートフォリオ全体のリターン

S&P500

60%

169.2%

101.53%

米国債

30%

-14.5%

-4.53%

コモディティ

5%

6.2%

0.04%

不動産(米国)

5%

25.5%

1.27%

合計

100%

 

98.49%

 

ポートフォリオに占める割合

2013-22年のリターン

ポートフォリオ全体のリターン

S&P500

60%

169.2%

101.53%

米国債

25%

-14.5%

-3.6%

コモディティ

5%

6.2%

0.3%

不動産(米国)

5%

25.5%

1.3%

ワイン

2.5%

94.1%

2.4%

ウイスキー

2.5%

419.7%

10.5%

合計

100%

 

112.3%

 

ワインやウイスキーをポートフォリオに組み入れるメリット
これまで見てきたように、伝統的ポートフォリオにワインやウイスキーを組み入れるとパフォーマンスが改善することがわかりました。
当然、このデータは過去の実績であり、将来の価格推移を指し示すものではありません。
しかし、供給が限定されている商品の場合、ワインやウイスキー需要は一定あり、今後も安定した価格を維持する可能性もあると考えられるため、コレクタブルアセットへの投資という観点から検討しても良いのではないでしょうか。

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※本記事は、Vint社の記事を翻訳編集しております。